埼玉医科大学国際医療センター脳神経外科 | 未破裂脳動脈瘤

対象疾患
未破裂脳動脈瘤

・未破裂脳動脈瘤とは:

 未破裂脳動脈瘤とは、脳の血管(動脈)の壁にコブ(瘤)のように膨らんだ部分があり、まだ破裂をしていない状態の瘤です。約20人に1人(5%)の方が持っていると言われており、ほとんどの場合は特に何も症状がないため(無症状)、脳ドックなどで偶然見つかることがあります。稀に未破裂の状態でも近くにある脳神経などを圧迫して症状が出ることがあります。
 未破裂脳動脈瘤は、確率は低いですが破ける(破裂)することがあります。最近の日本人のデータでは、年間約1%の破裂率と言われています(UCAS japan)。ただし、脳動脈瘤の大きさ・形・場所によって破裂率は異なります。また、ご家族(2親等以内)にくも膜下出血を起こされた方は、脳ドックなどの検査をお勧めしています。
 破裂するとくも膜下出血になります(別項参照)。治療によるメリットが伴う危険よりも大きいと判断される場合は脳卒中治療ガイドライン2015や脳ドック学会ガイドラインに準拠して治療をお勧めしています(*)。

・症状:

 ほとんどの場合は無症状であり、検査で偶然に見つかることがあります。
 稀に、脳神経などを圧迫して前兆としての症状が出ることがあります。
・ 物が二つに見える(複視)
・ 片方のまぶたが下がる(眼瞼下垂)
・ 視力・視野障害
など

・診断:

 MRAにて動脈瘤の有無はおおよそ評価可能です。造影CTや血管造影を行い動脈瘤の形状・部位・大きさを十分に評価する必要があります。

・治療:

 未破裂脳動脈瘤が見つかった場合、脳動脈瘤の大きさ・形・場所、その他の持病やお体の具合、年齢などを考慮し、適切な方法を検討いたします。
 方法として、定期的な経過観察、開頭手術(脳動脈瘤クリッピング術)、脳血管内手術(脳動脈瘤コイル塞栓術)があります。
 開頭術を担当する脳卒中外科と、脳血管内治療を担当する脳血管内治療科で症例に応じてカンファレンスを行い、動脈瘤の形状や患者さんの全身状態から、より適した治療法を選択しています。

※当科で治療を考慮する事をお勧めしている未破裂脳動脈瘤は以下の通りです。1.10-15年以上の余命が望まれる(75歳以下で全身状態がよい)方で、
2.大きさが5mm以上
3.5mm以下でも
(1)圧迫症状などを呈する症候性脳動脈瘤
(2)前交通動脈、後方循環など、部位的に破裂しやすい場所にある脳動脈瘤
(3)不整形(bleb)など、形態学的に壁の脆弱性が示唆される動脈瘤
(脳卒中の治療ガイドライン2015より)
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