埼玉医科大学国際医療センター脳神経外科 | 脳出血

対象疾患
脳出血

・脳出血とは:

 脳出血または脳内出血とは、脳卒中(*)のうち脳の血管が破れて、脳の中に出血を起こすことを言います(*)(脳卒中:脳血管の突然の変化により突如出現する病気。血管がつまる→脳梗塞、血管が破れる→脳出血、くも膜下出血など)。
 原因として、最も多いものは高血圧(約6割)で、高血圧性脳内出血と呼ばれています。脳の中を通っている細い血管が、高い血圧にさらされて脆くなり、破れる事で起こります。それ以外の原因は、脳血管の変性や血管奇形、脳腫瘍、抗血小板薬などの薬剤、血液疾患などがあります。
 高血圧性脳内出血の場合は、出血を起こしやすい場所があり、それぞれの場所や出血の程度により症状は様々です。
 重症の場合は命に関わりますが、昔に比べて死亡率は低下しています。しかし、出血により脳が壊されてしまうため、麻痺や意識障害などの後遺症を残し、介護が必要になる可能性は依然として高いため、リハビリテーションや再発予防が重要になります。

・症状:

 出血がよく起こる場所は、被殻、視床、小脳、脳幹、大脳皮質下などがあります。共通する症状は、頭の中の圧力が上がる事により(頭蓋内圧亢進)、突然の頭痛・嘔吐・意識障害などです。
*被殻出血(約40%):出血と反対側の手足・顔面の麻痺や感覚障害などが起こります。失語などの言語障害が出る場合もあります。
*視床出血(約35%):出血が小さい場合は主に感覚障害が起きますが、大きい場合は手足の麻痺も起こります。また髄液が流れている脳室に近いため、脳室の中へ血液が及んだ場合は、髄液の流れを塞き止めてしまい、急性水頭症を起こすことがあります。
*小脳出血(約5%):突然のめまい(回転性)や歩行障害などが起きます。頭痛・嘔吐もよくみられ、手足や体のバランスが保てなくなることがあります(失調)。
*脳幹出血(6-8%):脳出血の中でも最も重篤な出血です。脳幹とは、脳と脊髄の連絡路であり、重要な神経の通り道になっている場所です。また覚醒や意識に関わる重要な場所であり、生命中枢と言われているため、出血により極めて重篤な症状が起こり、命に関わる可能性も高くなります。
*皮質下出血(約10%):場所により脳局所症状が起こります。手足の麻痺や半盲、失語などが起こります。半数以上が高血圧以外の原因で起こります。

・診断:

 CTで診断は確定します。出血源として、別の疾患(脳動脈瘤や脳動静脈奇形など)が疑われる場合には造影CTや頭部MRI(血管を観るMRA)、血管造影が必要になる場合があります。

・治療:

 出血が小さい場合は内科的治療(点滴、血圧管理、止血剤など)を行いますが、出血の大きい場合や重篤例に関しては外科的治療を行う場合があります。
 しかし、すでに出血により脳が破壊されているため、手術を行っても損傷された脳が直せるわけではありません。救命目的やリハビリへの早期の移行のために緊急で血腫を除去する必要があり場合があります。
 外科的治療としては、血腫を除去するための開頭血腫除去術や神経内視鏡を用いた血腫除去術を行います。また急性水頭症に対して、脳室ドレナージ術を行う場合があります。

開頭血腫除去前(左)と術後(右)

開頭血腫除去前(左)と術後(右)


近年は神経内視鏡を用いた血腫除去術も行っております。

近年は神経内視鏡を用いた血腫除去術も行っております。

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