埼玉医科大学国際医療センター脳神経外科 | 脳動静脈奇形

対象疾患
脳動静脈奇形

・脳動静脈奇形とは:

 若年者における脳内出血の原因の代表的疾患として、脳動静脈奇形や海綿状血管腫が挙げられます。
 脳動静脈奇形とは、AVMと呼ばれ、胎生早期に発生する先天異常で、脳の動脈と静脈の間にナイダスと呼ばれる異常な血管網ができます。本来、毛細血管を通るはずの血流がナイダスを介して動脈から静脈へ直接流れ込んでいます。そのため、動脈の高い圧力が静脈へかかるため、様々な問題を起こします。また、動脈瘤を合併する事があります。
 脳動静脈奇形は、無症状で発見される場合もありますが、けいれん発作を起こしたり、破裂すると脳内出血やくも膜下出血を起こします。また、脳動静脈奇形の大きさや、構成する血管の数や血流の状態により破裂率は変化します。

・症状:

 無症状で偶然発見される場合もありますが、生来の脆弱な異常血管の集まりや、異常な血流の影響により、けいれん発作を起こす事があります。
 また、破裂をすると脳内出血やくも膜下出血を起こし、程度により頭痛や意識障害、麻痺などの局所症状を起こします。
 脳動静脈奇形が大きい場合は、脳の血流がAVMへ盗られてしまい、正常な脳への血流が減ることで、頭痛・意識障害・麻痺などの局所症状が出る場合があります。

・診断:

 CTにて発見される場合もありますが、質的評価をするためには、造影CTや頭部MRI(血管を観るMRA)、血管造影が必要になります。

・治療:

 年間2~3%で破裂する危険があり、初回出血で10%ほどの死亡率、30%ほどの後遺症を残す可能性があります。
 近年の研究報告から保存的に経過を観る事をお勧めする事が多いですが、出血例等では治療を検討する必要があります。
 治療には開頭手術や血管内塞栓術、定位的放射線治療があります。開頭手術が最も根治が望める治療ですが、脳動静脈奇形の場所や大きさなどにより最適な治療を行います。当センターにはどの治療法にも精通したスタッフがおりますので、個々の患者さんに合わせて最適な治療法を選択し、各治療法を組み合わせて治療する事が可能です。当科は全国でも数少ない脳動静脈奇形治療センターであり、全国有数の治療数を誇ります。
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