埼玉医科大学国際医療センター脳神経外科 | 頭蓋内血管狭窄・閉塞

対象疾患
頭蓋内血管狭窄・閉塞

・頭蓋内脳血管狭窄とは:

 脳を栄養する比較的太い動脈が細くなる状態をいいます。血管の狭窄は動脈硬化性変化により血管の内腔にコレステロールや脂肪、血栓などが溜ることで進行していくことがあります。血管狭窄が進行していくと①狭窄部以降の末梢灌流領域の脳血流が低下することにより、②狭窄部から分岐する細い脳血管が閉塞することにより、③狭窄部に付着した血栓が遊離して末梢の脳血管を閉塞することなどにより脳梗塞の発生リスクが高まると言われています。過去に脳梗塞の既往歴があり、頭蓋内脳血管狭窄がある方は脳梗塞の再発率が高いことが知られており、以前の報告では頭蓋内脳血管の70%以上の狭窄がある方は1年後の同側の脳梗塞再発率が18%と言われています。

・症状:

狭窄している血管によって症状は異なります。運動麻痺、感覚障害、言語障害、めまい、視力・視野障害、意識障害などです。また、一過性に症状が出たり消失したりする場合が多いですが、脳梗塞まで至ってしまうと症状が持続してしまう事があります。

・診断:

 MRI,Aによって狭窄部位を同定する事が可能です。血管造影にて詳細な病態評価が必要になる場合があります。脳血流検査等により頭の中の血液の流れの状態を評価する必要がある場合があります。

・治療:

高血圧および糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は動脈硬化の原因となることから、頭蓋内脳血管狭窄がみつかった場合には食生活の改善および運動を中心とした自己管理をしつつ薬を内服する内科的治療が治療の第一選択となります。近年は内科的治療が発達して以前よりも脳梗塞の発生率を減らすことができるようになってきています。しかし、内科的治療を十分行っていても脳梗塞を繰りかえす方がいるのも事実です。このため頭蓋内脳血管狭窄を伴い脳梗塞を繰り返す場合には外科的治療も考慮していく必要があります。
脳梗塞を繰り返す頭蓋内脳血管狭窄に対してはバルーンを用いて血管を内側から拡張させる血管内手術もしくは、バイパス手術などの開頭手術があります。これらの治療はすべての血管狭窄病変に対して可能というものではありませんが、病変の状態などを十分に検査したうえで治療の適応を決定することで十分な治療効果が見込めます。内科的治療および外科的治療の両者のメリットデメリットを十分に検討したうえで治療方針を決定させていただいております。

バルーンによる血管拡張術。左が治療前、右が治療後

バルーンによる血管拡張術。左が治療前、右が治療後


バルーンによる血管拡張術のイメージ図

バルーンによる血管拡張術のイメージ図

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