各科紹介(医療関係者の方へ) 患者さんを紹介してくださる先生方へ
埼玉医科大学脳神経外科は4つの専門性の高い診療部門を有し、皆様に質の高い医療を提供しております。埼玉医科大学国際医療センターには脳脊髄腫瘍科、脳卒中外科、脳血管内治療科があり、さらに埼玉医科大学病院脳神経外科では機能的疾患を扱っております。患者さんのご紹介の際にはご希望の診療科をお申し付け下さい。

IMG_7035集合写真 2015年12月医員集合写真

脳脊髄腫瘍科 脳卒中外科 脳内血管内治療科

脳脊髄腫瘍科

脳脊髄腫瘍科
脳神経外科の扱う疾患には、脳血管障害、外傷、小児奇形、機能性疾患などがありますが、脳腫瘍は脳血管障害と並んで最も重要な分野の一つです。埼玉医科大学国際医療センター脳神経外科は、全国に先駆けて脳神経外科を3つの診療科に分割しました。即ち脳卒中外科、脳血管内治療科、そして脳脊髄腫瘍科です。このことによって私達は、脳腫瘍の治療に専念し、最先端の治療を取り入れると共に、手術や術後治療の神髄を極め、どこよりも専門的な脳腫瘍治療を行っております。
 
神経膠腫:代表的な脳腫瘍です。ナビゲーション、モニタリング、時には覚醒手術も駆使して手術を行っています。手術後は放射線照射と化学療法などが必要になりますが、まずは標準治療を提示してご説明いたします。標準治療とは、皆が行っている治療、という意味では無く、その時点で最善と認められている治療という意味です。さらに、新しい治療法が治験という方法で試されるわけですが、当科は我が国で行われる新しい治験の主要なものにはすべて参加していますので、最新かつ最も有望な新規治療を受ける期会にも恵まれています。進行中の治験の詳細については、お電話ではお答えしかねることも多いため、外来を受診して、あるいはセカンドオピニオンを求める形でご来院ください。
 
下垂体腫瘍:これも代表的な脳腫瘍ですが、ほぼ100%良性の脳腫瘍です。当科では鼻の孔から内視鏡を挿入する方法で手術を行っています。内視鏡は顕微鏡よりも視野が広く摘出率も安全性も向上します。また、脳下垂体はホルモンを産生する組織ですので、手術後にホルモン異常を発症することも少なくありません。その場合は埼玉医科大学病院(毛呂)内分泌・糖尿病内科の専門医にバトンタッチして専門的な治療を行います。患者さんにとってベストの治療を行うためには診療科の垣根などあり得ない、というモットーのもとに最良の治療を行うべく努力しています。
 
小児悪性脳腫瘍:小児がんの第一位は白血病ですが、第二位は脳腫瘍です。小児悪性脳腫瘍には髄芽腫、上衣腫などがありますが、まず手術で可能な限りきれいに摘出する必要があります。当科では鈴木智成准教授がそのエキスパートです。手術後は放射線療法、化学療法を徹底的に行うことが不可欠で、時には末梢血幹細胞移植を用いた大量化学療法が必要になります。当科と同じB6階病棟を根拠地とする小児腫瘍科のエキスパートが対応します。
 
このように私たち脳脊髄腫瘍科のスタッフは、脳腫瘍、そして脊髄腫瘍もですが、すべての中枢神経腫瘍において、最善の治療を行うためにはどうしたらよいか、人を配置し、技術を習得し、機器を整備し、他科との垣根を取り払い、日々研鑽に努めております。
 
平成30年度脳脊髄腫瘍科の参加している公的研究費リスト
 
1.国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED
・代表研究者:埼玉医科大学国際医療センター 西川亮 「中枢神経系原発悪性リンパ腫に対するテモゾロミドを用いた標準治療確立に関する研究」
・代表研究者:大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター 原純一 「小児脳腫瘍に対する多施設共同研究による治療開発」(分担研究者:西川亮)
・代表研究者:国立がん研究センター中央病院 成田善孝 「予後不良の神経膠腫に対する標準治療の確立と希少癌組織のバイオバンクを目的とした多施設共同研究」(分担研究者:西川亮)
・代表研究者:杏林大学 永根基雄 「再発膠芽腫に対するテモゾロミド用量強化法を用いた標準治療確立に関する研究」(分担研究者:西川亮)
・代表研究者:国立がん研究センター中央病院 成田善孝 「TERTを標的とした再発膠芽腫に対するエリブリンの医師主導治験」(分担研究者:西川亮)
・代表研究者:熊本大学 武笠晃丈 神経膠腫(グリオーマ)の治療抵抗性に関連した不均一性獲得機構の解明とそれに対応する治療戦略の構築」(分担研究者:西川亮)
 
2.平成30年度厚生労働科学研究費補助金
・代表研究者:国立成育医療研究センター 松本公一 「小児がん拠点病院等の連携による移行期を含めた小児がん医療提供体制整備に関する研究」(分担研究者:西川亮)
 
3.平成30年度文科省科学研究費
・代表研究者:埼玉医科大学国際医療センター 安達淳一 基盤研究C「グリオーマにおけるHRM法を用いた高感度TERT遺伝子変異検出法の確立」
・代表研究者:川田哲也 基盤研究C「ポルフィリン前駆体による悪性脳腫瘍に対する新規放射線増感治療の研究」(分担研究者:三島一彦)

脳卒中外科

脳卒中外科は、脳卒中センター内の独立した診療科として、脳卒中内科や脳血管内治療科と密接な関係を保ちながら、脳卒中の外科治療を担っています。当科は全国の大学病院の中で唯一脳卒中(脳血管障害)の開頭術に専門特化した診療科であり、スタッフ全員が脳卒中の外科手術に対する豊富な経験を有し、昼夜搬送される脳卒中の患者さんの緊急手術に24時間体制で対応しています。また、将来的な脳卒中を予防するための手術も、十分な安全性を確保した上で積極的に施行しています。特に小型の未破裂脳動脈瘤に対しては低侵襲の小切開による鍵穴手術(key hole surgery)を標準術式にしており、診療部長の専門分野である脳動静脈奇形や巨大脳動脈瘤などの高難度動脈瘤に対しては、日本一の手術数と手術成績を有しています。他院で治療困難と判断された症例でも、外科治療が必要と判断された場合は原則として受け入れを「断らない」事に誇りを持って、スタッフは皆手術技術の維持・向上のために日夜努力をしています。当科のミッションは、次代を担う脳血管外科のリーダーを養成することであり、全国の大学より研修者を公募し、助教(fellow)として受け入れています。

脳血管治療科

御紹介される先生方へ

・対象疾患と御紹介について:

脳血管内治療科で対象となる疾患としては未破裂脳動脈瘤、頭蓋内・頸動脈狭窄症、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻等脳血管に関する疾患となります。その御紹介は随時受け入れさせて頂きます。通常の外来の時間帯であれば紹介状を持たせて受診させてください。原則として予約制ではありますが,紹介状があれば予約なしでも大丈夫です。脳血管の疾患においては、緊急を要する場合もございますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
また御紹介後すみやかにご返信を作成し結果を送ります。後日検査・治療をおこなった場合にもその結果は改めて文章にて御報告いたします。

・救命救急センターの一翼を担う診療科として:

救命救急センターは当院の方針である「断らない救急」を実践しており、当科としては出血性脳血管障害を脳卒中外科と分担して診療にあたっております。特に御紹介はすべて受け入れしております。また、従来よりご案内申し上げてきた脳卒中ホットラインに関しましては現在も変わらず運用されており、積極的にご活用お願いします。

・虚血性脳卒中に対する脳血管内治療,24時間診療体制:

虚血性脳卒中に対する血管内治療のエビデンスは近年確立されてきており、rt-PA静注単独療法と比較し、血管内治療追加群で有意に予後良好を無作為試験の結果の論文が平成26年末より平成27年にかけて4〜5編出版されました。
当院では以前から脳卒中内科と併診し、24時間体制にて血管内治療を行っております。今回、上記エビデンスが出たことから、一分でも速く血管内治療にアクセスできるよう院内でのフローや動線の改善に鋭意取り組んでいる次第です。今や,主幹動脈閉塞による急性期虚血性脳卒中治療はrt-PA静注療法+血管内治療 がスタンダードとなったことを指摘させて頂き、速やかな御紹介をお願いしたい次第です。
さらにリハビリテーション科は急性期より積極的に介入、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による急性期リハビリテーションを展開、患者さんの予後、QOLの改善に日夜取り組んでおります。

神経内視鏡手術について
脳神経外科において神経内視鏡という分野が近年進歩しつつあり、第三脳室底開窓術など水頭症手術や脳室炎等の感染性疾患、あるいは脳室内腫瘍にたいする生検術、脳内出血に対しての血腫除去などでその威力を発揮しております。当科は神経内視鏡技術認定医を有するエキスパートが担当します。

日本脳血管内治療学会専門医を目指す先生・さらなるキャリアアップを目指す先生方へ

当施設は、関東圏でもっとも豊富な人材と施設を有する脳血管内治療専門医育成機関の一つと言え、非常に密度の濃い研修を提供する事が可能です。指導医2名、専門医4名が責任をもって指導に当たります。
日本脳神経血管内治療学会専門医習得のためには、日本脳神経外科学会・日本放射線医学会・日本救急医学会・日本内科学等のいずれかの学会専門医が必要であり、シニアレジデント(後期研修医)であれば、まず脳神経外科専門医習得が目標となります(これには当脳神経外科内三科が協力してサポート致します。別項御参照下さい。)。
当科での研修の特徴としては、研修者の基本診療科は脳神経外科に限定していないことがあります。各専門医を取得されてから血管内治療専門医を得てその後のキャリアパスも用意されていることが特徴といえるでしょう。これも、当科設立の経緯、科の立ち上げにおいて神経内科・神経放射線科の先生らと診療をともに実践し、当科を作ってきたという実績があるからこそ可能となっています。実際、当科には救命救急学会認定専門医や神経学会認定専門医資格をお持ちの先生も在籍、その後脳血管内治療専門医を取得し現在活躍中です.脳神経外科以外でも関連する各学会専門医をお持ちの先生であれば、そのキャリアを生かせながら当科の診療に取り組めますし、脳神経外科手術スキルは必ずしも要求されない点が特徴と言えます。また、当科のスタッフの出身校はすべて異なっており全国から集い、「学閥」的なものはないことも追加しておきます。

脳血管内治療科のキャリアパス

脳血管内治療科のキャリアパス


一方ですでに専門医は取得したが、まだ独り立ちには不安があるなど経験の浅い先生も希望に応じた期限にて受け入れております。詳細に関しましては、診療部長までお問い合わせください。
最後に、この分野で世界的に有名なライブコース(LINNC)において平成25年に施設として参加経験があります。このように当センターは世界的にも認められつつあり、今後ますます発展していく施設といえます。また、当科スタッフには海外留学経験のある先生や学位取得者が多数在籍しており、海外留学や学位取得への道も準備されております。

LINNCコース風景:当院の手術がライブ中継にてパリ会場に配信.(LINNC2013,パリ,ルーブル美術館にて)

LINNCコース風景:当院の手術がライブ中継にてパリ会場に配信.(LINNC2013,パリ,ルーブル美術館にて)

・当科ではチーム医療を実践しています:

上記検査治療を支えるのは医師の技量のみではなく、放射線技師、看護師、臨床支援部事務員など優秀な人員が不可欠です。当院ではこれらコメディカルと日頃よりルーチンワークで日々仕事にあたっており、そうした連携によって緊急時円滑な治療体制となります。さらにそうしてコメディカルのためにハンズオンセミナーも年一回は開催しておりまた関連学会への参加や発表する機会も多く、日頃より皆のスキル向上に努めております。

コメディカルのためにハンズオンセミナー風景 参加されたコメディカルと集合写真 コメディカルのためにハンズオンセミナー風景,参加されたコメディカルと集合写真

お問い合わせ
脳血管内治療科診療部長 准教授 山根文孝
mail:fyamane@saitama-med.ac.jp

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